こんにちは、金沢屋 ブログ担当の飯田です。
冷たい北風が吹き始める季節。そろそろ「今年の冬こそ寒さ対策をしたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
「和室が冷える」「窓辺から冷気が入ってくる」「暖房をつけてもなかなか部屋が温まらない」──。
その原因、実は障子の劣化や断熱性能不足が関係していることがあります。
障子は一見、昔ながらの建具に思えますが、構造を知るとその断熱性能は意外に高く、
「自然の力で寒さをやわらげる優れた日本の知恵」なのです。
この記事では、障子の断熱の仕組みと他素材との比較、そして冬に向けた効果的な張り替え対策について詳しくご紹介します。
障子の断熱性能とは?
一見、障子は、外気と室内の間にそのまま冷気が通り抜けてしまいそうに見えます。
しかし、実際にはそうではありません。障子紙の繊維と木枠の格子の間には、無数の微細な空気の層が存在しています。
この「動かない空気」こそが、熱の移動を妨げる天然の断熱材のような働きをしているのです。
建築環境工学の分野でも、この現象は科学的に説明されています。
出典:『建築環境工学 改訂版』(井上宇市・日本建築学会)によると、障子や襖などの“透過性の建具”は、紙や木材の熱伝導率が低いことに加え、繊維の間や構造体内部に閉じ込められた空気が断熱層となるため、熱の移動を抑えるとされています。
空気の熱伝導率はおよそ 0.024 W/mK。これは木材(約0.12 W/mK)や和紙(約0.05〜0.08 W/mK)よりもさらに低く、空気そのものが非常に優れた断熱素材であることを意味します。
つまり、障子紙の繊維間に保持された静止空気が、外気の冷たさを伝えにくくしているのです。
さらに、障子を閉めることで、室内側の放射冷却(熱が外に逃げる現象)をやわらげ、体感温度を2〜3℃上げる効果もあるといわれています。
和紙と木枠というシンプルな素材の組み合わせが、これほどまでに快適な室内環境を生み出しているのは、まさに「和の知恵」の結晶といえるでしょう。
障子が断熱性に優れる理由
障子の断熱効果は、主に以下の3つのポイントで生まれます。
(1)空気層が熱を遮る
障子を窓の内側に取り付けると、外窓と障子の間に空気層ができます。
空気は熱を伝えにくいため、この層が「断熱の壁」として働き、冷たい空気の侵入を防ぎます。
(2)和紙の構造による断熱性
和紙は天然繊維から作られており、繊維の隙間に微細な空気を含みます。
そのため、冬は暖気を逃がしにくく、夏は外気の熱を通しにくいという“自然の断熱材”です。
また、湿度の高い日本の気候に合わせて、和紙は湿気を吸収・放出する調湿効果も持っています。
結果的に、結露しにくくカビの発生も抑えられるという副次的な効果もあります。
(3)素材による断熱効果の違い
障子紙には大きく分けて「パルプ紙」「和紙」「ワーロン(プラスチック障子紙)」の3種類があります。
- パルプ紙:安価で貼りやすい反面、日差しや湿気に弱く、1〜3年で劣化しやすい。断熱性はやや低め。
- 和紙:繊維が細かく空気を多く含むため、断熱性・耐久性ともに優秀。和室に自然な温かみを与える。
- ワーロン(合成樹脂障子紙):破れにくく、水拭き可能で、空気を通さないため冷気を遮断する力が非常に高い。
価格を考慮しなければ、断熱性能はワーロン > 和紙 > パルプ紙の順になります。
「破れにくく」「掃除がしやすい」「冷気を通さない」という点で、寒冷地ではワーロンタイプが人気です。
古い障子で寒さを感じる原因
「以前より部屋が寒くなった」「障子を閉めても冷たい風を感じる」──そんなときは、障子そのものが断熱効果を失っている可能性があります。
長年使用した障子は、紙がたるんだり、黄ばんだり、破れが生じたりして、隙間風の原因になります。
また、木枠のゆがみやサッシとの間にできた小さな隙間からも、冷気が入り込みます。
こうした状態では、せっかくの空気層が失われ、障子が本来持つ断熱性が大きく低下してしまいます。
つまり、寒さ対策の第一歩は「障子の張り替え」からなのです。
DIYでの貼り替えも可能ですが、和紙の張り具合や枠との密着度によって断熱効果が変わるため、専門店に依頼することで最適な仕上がりが期待できます。
障子を使った断熱事例

群馬県高崎市貝沢町で行った障子の張り替え事例では、長年使われていたパルプ紙の障子を、和紙タイプに交換しました。
施工前は破れもあり室内の熱が逃げやすくなっていましたが、張り替え後は「冷気を感じなくなり、部屋全体がやわらかい暖かさになった」と驚かれていました。
障子紙を変えただけで、暖房の効きが良くなり、光の入り方もやさしくなったそうです。
断熱カーテンや断熱シートを併用せずとも、障子自体が“断熱の主役”になる好例です。
このようなリフォームは、部屋の印象を美しくするだけでなく、光・空気・熱の流れを整え、暮らしを快適に変えてくれます。
(参考施工事例:金沢屋の障子張り替え実例はこちら)
障子の力で冬を快適に
障子は、単なる和室の装飾ではなく、空気を活かした天然の断熱材です。
和紙やワーロンといった素材の違いを理解し、適切に張り替えることで、家全体の熱効率が大きく変わります。
「寒い冬でも暖かく過ごしたい」「光を取り入れながら断熱したい」という方には、障子の張り替えが最も簡単で効果的な方法です。
金沢屋 高崎・矢中町店/貝沢町店 前橋・敷島店/表町店では、和紙・ワーロンなど断熱効果の高い障子紙を豊富に取り扱っており、
お住まいの環境やご予算に合わせた最適なプランをご提案しています。
地元密着だからこそ、安心と信頼を
金沢屋 高崎・矢中町店/高崎・貝沢町店/前橋・表町店/前橋・敷島店は群馬県高崎市と前橋市を中心に、迅速・丁寧な対応を心がけ、地元の皆様に寄り添ったサービスを提供しています。
経験豊富なスタッフが、わかりやすくご説明いたします。どうぞご安心ください。
障子張り替えの流れ
- 現地調査
まずはお客様のご自宅にお伺いし、現状を確認します。ご希望やお悩みを丁寧にヒアリングし、最適なプランをご提案します。 - 障子紙選定
和紙・強化紙・プラスチック障子など、生活環境やご予算に合わせて最適なものを一緒に選びます。見た目のデザインだけでなく、強度や断熱性などの機能性も考慮してご提案します。 - 施工
熟練の職人が一枚一枚、心を込めて張り替えを行います。細部まで丁寧に仕上げることで、長く快適にお使いいただける障子を実現します。 - 仕上げと確認
張り替え完了後は、お客様に実際に仕上がりをご確認いただきます。気になる点があればその場で調整し、ご満足いただける状態でお引き渡しをいたします。
お見積もりは無料で承っておりますので、まずはお電話やお問い合わせフォームからご連絡ください。

